映像制作の現場から|独自コンテンツへの道

裁判資料・証拠動画の加工・解析について

弊社で本当にたまにではありますが、お引き受けしているのが、裁判で使用するような資料(証拠ではありません)としての動画素材の加工や解析です。
センシティブな内容なので具体的に何をどう担当したのかはまったく言えませんが、弁護士事務所の方で、こうした仕事をどこに振ったらいいかわからずに困っている人もいるようですので、まず「私たちデキサはできる範囲で引き受けていますよ」という事実と、こうした事件事故資料動画に関する作業の手順などについてご説明したいと思います。

使い道は聞きません

動画に証拠能力があるかどうかについては、ここでは触れません。それは法律の専門家の仕事だと思いますので、私は答えるための知識を持っておりませんし、実際にご依頼をいただく際には、その動画をどのようにお使いになるのかを私はうかがいません。ただ、映像・動画の専門家の立場から、私たちにできる範囲のことはいたしますし、わかる範囲のことはお伝えします。

モザイクかけ

例えばですが、弁護士事務所の方からのご依頼のうち、簡単な事例ですと、モザイクかけがあります。当該人物以外の人の顔が見えてしまうと参考資料として見せられないなどの事情があるのでしょうか、弊社では実績の多くが、このモザイク処理作業です。モザイクなら私たちみたいなメディカル動画などの会社より得意な業界があるように思いますが(笑)なぜか私たちに依頼が来ます。

動画ファイル分析

また、多いのが動画の分析です。証拠に使われるような動画の場合はファイル形式がどのようなものか?また、ファイル変換された形跡があるかどうか?などの分析です。
例えばですがインターレースで撮影された後にプログレッシヴに変換された形跡があるかどうか?などは大変重要なポイントです。編集ソフトを使いなれない人が使うと、私たち映像のプロでは考えられないような「設定の間違い」が起きます。いわば「素人さんが編集した形跡が明らかに見えるかどうか?」を根拠も含めてご説明するわけです。
さらにはデータレートの分析です。カメラ撮影された生のファイルというのは特有の一定のデータレート設定がありますが、編集を介した動画というのはデータレートをよほど綿密に計算して設定しないとデータレートが大きくなったり小さくなったりします。放送用カメラの場合などはフォーマットごとに決められたデータレートが存在しますので、ここから動いているかどうかは編集後のファイルかどうかを判断する一つの判断材料になります。

証拠能力の有無を映像の専門家の立場から言えば

映像ファイルの証拠能力については様々なご意見があるかもしれませんが、映像制作の専門家である私たちから言わせていただけるなら、証拠として十分な説得力はあると思っております。というのも、私たちはCG制作も含めて映像や動画を加工する仕事を日常的に行っておりますが、その難易度の高さは身を持ってわかっているので、こうした加工がそんなに簡単に素人さんにできるはずがないこともよく理解しています。
例えば何か動画に写り込んでいるものを消すという作業。静止画の写真などなら比較的簡単に消せますが、動画というのは連続した静止画が1秒間に30フレーム60フィールド切り替わるのですから、何かを消すとなったら、そのフレームやフィールドごとに消していかなければなりません。そんなことをできる技術者は少ないです。また、何かを消せば、そのあとに何かを書き足す必要がありますが、これも困難です。何せその何かを消したあとに現れるであろう背景が隠れているので見えないのです。消すという作業だけでもかなりの難易度です。
とはいえ、その映像や動画に証拠能力や照明能力があるかどうかは裁判所が個別に判断することであって、私たちが何かそこに口を挟めるわけではありません。その動画素材がどのようなシチュエーションや目的で撮影されたのか?肖像権やプライバシーを冒していないかどうか?も大切な判断材料になるでしょう。
近年ではドライブレコーダの動画の証拠能力の有無について活発な議論があるようです。また、ドライブレコーダ動画には一般には証拠能力があるとは公には認められていない事実があり、一体何のためのドライブレコーダなのかと言いたくなる場面も無きにしも非ずです。
いずれにしても、映像制作の専門家としての立場から、本当に責任を持ってお答えできる範囲にとどまりますが、私たちは「確かなことだけを言う」というスタンスで、こうした映像・動画ファイルを扱いますので、一定の判断材料をご提供することができます。お役に立てるかどうかはわかりませんが、映像制作・映像技術の専門家の立場からアドバイスくらいはできますので、お気軽にご相談ください。

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