映像制作の現場から

自己紹介くらいはしようよ

求人へのおかしな応募メールがたくさん来ます。特に多いのが「どこのだれかわからないメール」です。これは本当にやめていただきたい。
フリーの方に多いのですが、まず、名前とメールアドレスしかわからない。住所も電話も書いてない。で、一応資料を送るようにお願いすると、過去の作品資料は送られてくるのですが、そこにも住所も電話も書いてない。
「作品を見れば実力はわかるでしょ?」「個人情報は保護されているから教えません」と言わんばかり。確かに一理あるのだけれど、そういうのは「プロの仕事」というものを理解していないと言わざるをえません。

こちらが求めるのは何より相互の信頼

極論を言えば小手先の業なんか下手でもいいんです。プロは基本的にチームで働くわけですから、下手でも働く場所はある。そんな小手先の技量よりも大切なのは「仕事人としての信頼性」です。そして「こちらを信頼する姿勢」が見えないなら、その人に仕事を振る理由は無いわけです。
うちの会社はプライバシーポリシーを公開して、最低限度記載するべき情報を明記した上で、こっちも「安心して応募してね」と言っているのです。これ以上、こっちに何をやれと言うのだろう?何をやったら信頼されるのだろう。意味がわからないし、やりようもない。
こっちはメールを返信する時に事務所の住所、電話番号、メール、携帯まで公開して返信しているというのに、それでも名刺に普通書く情報すら公開したくない。信頼したくない。そんなに信用できない会社に、なぜ仕事をもらいに来るのだろうか?そういう考え方なら、もう来ないでほしい。失礼でしかない。
一応、忙しい会社なので、こちらも忙しい仕事の合間を使って、かなり考えながらメールを返信しているわけです。せめて応募してくるなら名刺に普通書かれているくらいの事は書いて送るべきではないでしょうか?一応の礼儀ってものでしょう。あまりに礼儀知らずであきれるばかりです。

コンプライアンスへの過剰反応

個人情報保護法がはじまってから、こういう手合いは増えている。しかし法の精神として、個人情報保護法は、こういう不便な状況を生むために作られたものではないはず。もう一度、よく法律を読んでみることをお勧めしたい。
今ではこの個人情報保護法がかえって世の中のマイナス面を生んでいるということで、政府すら平成23年に「個人情報保護へのいわゆる過剰反応について」という調査結果を発表している有様。そこには「個人情報保護法は個人の権利利益を保護することを主目的としつつも、個人情報の利用によってもたらされる社会全体の利益、つまり個人情報の有用性にも配慮することを求めていると言える。」と明記されている。これが法の精神ということではないか。つまるところ、法律そのものに罪は無くても、それを解釈・運用する国民側が常軌を逸していると、過剰反応やマイナスばかりが多くなってしまうのです。
せめて自己紹介くらい、名刺交換くらいしましょう。「個人情報だから」とか言って名刺交換を断るくらいバカな行いです。

と、ここまでは導入。

とにかく映像業界、テレビは特にですが、コンプライアンスという言葉に押しつぶされてしまっている感じがありますね。
必要な「思いやり」は絶対必要。しかし、基本的に人を信頼していないから、こういう事態になるのではないかな。こちらも過剰反応気味。
要するに「コンプライアンス」なんて横文字で考える以前の話として、人としての「思いやり」で物事を考える必要があるのではないかと。難しい心配は法律の専門家に任せましょう。過剰反応を続けていると、その過剰反応状態が固定化されてしまい、もう本当に身動きがとれなくなってしまう。
法律をうわべで解釈するのではなく、精神を理解するようにしたいものです。

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