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視聴者に忘れられないための「感動」の演出

よく「映像」という言葉と「感動」という言葉はワンセットで語られています。「感動を生む映像」などがその代表ですが、一体どれだけの映像制作者が「感動を生む映像」を作れていることでしょうか。そして、どれだけの映像制作の専門家が感動という抽象的概念に対して「具体的なアプローチ」ができているでしょうか。

三つの方程式が成立するための必須条件が「感動」の実現

映像演出の方程式弊社はもちろんこの「感動」という要素についても具体的に様々なアプローチを行っています。それは、「心が動くから覚えてもらえるし、理解しようとしてくれる」という現実があるからです。つまり、弊社が常々動画活用コンサル活動の中でご説明している「わかる方程式」も「心に残る方程式」も、この「感動の方程式」が成り立たない限り成立しないということなのです。
映像は「動いている画だから訴求しやすい」という反面、「時間経過とともに流れ去るから訴求しにくい」という両極端の性質を宿命的に持っているのです。そしてこの両者を隔て、どっちに転ぶかを決定しているのが、この「感動」というキーワードだからです。
以下に、私たちデキサが行ってきた演出術を記します。

視聴者との接点を生む「地べた感」の演出

映像を観ていて、なんとなく心が動くことがあるでしょう。その条件の一つが「地べた感」です。例えばあるスポーツ選手の偉業を映像にするという事例を考えてみましょう。成功者になってからの彼を描くだけでは、多くの人の共感を得るのは難しいばかりでなく、反感すら持たれかねないでしょう。それはなぜか? ほとんどの人は社会において脇役に徹し、そして脇役であることに誇りを持って生きている存在だからです。

立ち位置が違うと共感できない

高いところから一方的に語られても地べたにいる人の共感を得る事はまず無い

映像を演出するにあたり、この「視聴者の99%は脇役である」という事実は大変重要です。多くの人は脇役としての人生を送っているからこそ、脇役には「感情移入」することができたとしても、成功者には単純には感情移入することができません。それは視聴者の意地が悪いからでも何でもなく、単純に「自分が主役になったという実感があまり無い」からなのです。
失敗し、怒られ、それでも家族や身近な人たちのためにがんばって働く。これが多くの人たちの姿であり、現実です。
先ほどの成功者の話に戻りますが、私たちが重要視するのは、「最初から成功していたわけではないでしょう?」という目線です。99%の脇役から1%の主人公に抜き出た瞬間に注目するのです。これだけで視聴者は共感を持つことができます。こうした「99%の人との共通点」を探す努力を、映像制作の専門家は「地べた感の演出」と呼びます。
世の中の有能な映像演出家は、この地べた感を大変重要視していますし、世の中に存在する長寿番組には、この地べた感の演出をベースに組み立てられているものが多く存在しています。
NHKの『プロジェクトX』がまさにそうです。この番組で取り上げられている主人公は、名も無い技術者であったり、普段は陰に隠れて目立たない脇役です。しかし彼らの製品は誰もが知っている。いわば製品という主人公の陰に隠れている脇役が、この番組の主人公です。だからこそ同じ脇役である視聴者は彼らの地味な努力に共感できますし、敬意と共感をもって観ることができるのです。
残念ながらこの『プロジェクトX』は終わってしまいましたが、今でもNHKは同じ遺伝子を持つ番組を作っています。それが『プロフェッショナル~仕事の流儀』という番組です。この番組の主人公もまた名も無い普通の仕事人です。しかしその仕事人が毎日の仕事の中で哲学し、家族のために努力を続けている姿は多くの人達の共感を得ています。この「共感」こそが地べた感の演出の目指すところです。
ここまで典型的ではないにせよ、例えば朝日放送の『新婚さんいらっしゃい!』も同じです。新婚さんを毎回スタジオに呼んでお話をうかがうトーク番組ですが、多くの人達が経験する新婚という輝かしい時代を想起させるこの番組もまた、地べた感の演出によって成功している事例の一つとしてご紹介したい番組です。
このように地べた感は、登場人物に対して共感し、その心の動きを追体験するために欠かせない優れた映像演出技法です。そしてその「心の動きを追体験する」ということが「感動」という言葉で言い表されているのです。
映像の目的が何であれ、ある程度はこうした目線があってしかるべきですし、せっかく映像を制作するなら、意識してみて損はない映像演出の基本技法です。
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共感を得るドラマを生み出す

誰にだって「迷い」や「悩み」はあることでしょう。そして迷いや悩みの原因を突き詰めていくと、そこには「葛藤」、つまり相反する二つの事柄の間で揺れ動く自分の心理に気づくのではないでしょうか?
「葛藤」とは立派な心理学の用語ですが、相反する二つの価値観がぶつかり合う様を、映像用語では「ドラマ」と言います。
会社を描くなら主人公は会社ですし、誰かひとりを追いかけるドキュメンタリーなら主人公はその中心となる人ですが、それら主人公たちが、相反する価値観の間で揺れ動き、自分の立ち位置を決める。そんな心の動きを映像化することができた作品は、間違いなく名作ですし、視聴者の心をつかむことができます。こうした作品を映像用語では「ドラマチックな作品」と言いますが、誰もが経験ある、こうしたドラマチックな展開は、視聴者の多くから共感を得ることができ、心を動かさずにはいられないでしょう。
私たちデキサは、こうしたドラマチックな展開を構成要素に織り込み、感動ある作品を演出します。

本当の感動を生む映像演出を

地べた感やドラマ構成は一つの例に過ぎませんが、視聴者との接点をいかに作り、共感を生むかは映像を制作する上で大切な構成要素となっています。
成功しているラーメン店が一体なぜ成功する事ができたのか?成功しているスポーツ選手がどうして一流になれたのか?いくら主義主張を描いたところで、それは一方的な持論の展開であり、感動には結びつきません。共感をうまく生み出す映像演出無くして感動は生まれないのです。
テレビ番組や映画も、高度な演出を経て制作されています。皆さんが普段目にしている映像は、こうした細かい映像演出の積み重ねの末に生まれているのだということをご理解いただければ、いかに演出、つまりディレクターの仕事が映像制作において重要かがご理解いただけるのではないでしょうか。
デキサは、映像演出の専門家が立ち上げたディレクター主導の映像制作会社です。映像制作をお考えなら、ぜひご相談いただければと思います。

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