4Kデジタルシネマ映像制作

4KデジタルシネマカメラSonyFS7

4K動画撮影カメラ弊社は映像制作会社でありながらカメラを自社で所有する方針を取っておりますが、こちらのカメラは弊社では唯一のデジタルシネマスタイルのものです。2015年4月から制作現場で運用を開始いたしました。
FS7はスーパー35ミリサイズのCMOS撮像素子を搭載し、毎秒60フレームの4K動画を収録することができます。また、HD解像度であれば最大毎秒180フレームの高速度撮影にも対応していますので、スポーツなどの映像制作では、このハイスピード撮影が活きてくることでしょう。
4K動画はHDに比較しておよそ4倍の情報量を持つ動画フォーマットで、今現在デジタルで撮影されている映画は、ほとんどこの4Kによって撮影されています。デジタルとアナログを比較することはナンセンスではありますが、HDを「16ミリフィルムに類似した被写界深度と解像感」と表現するなら、この4Kは「35ミリフィルムに類似した被写界深度と解像感」を撮影することができると言われています。そしてこのFS7は、4096×2160ピクセルのDCI-4Kの解像度に対応したカメラです。
もちろん、この優れた解像度を活かして、撮影した動画から静止画を切り出すことも可能で、その場合の解像度もおよそ829万画素のデジタルスチルカメラと同等の解像度ですので、書籍など印刷物にも十分転用することが可能です。
ちょうどデジタルスチル一眼レフで毎秒60フレーム撮影することができると考えるとイメージがつかみやすいのではないでしょうか。
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HDと4Kの解像度比較

オートフォーカスを搭載

オートフォーカスレンズFS7に限らず、このタイプのカメラは通常取材カメラとして使用されるENGカメラに比べて形状の違いやレンズ周りの違いによって運用には若干のノウハウが必要になります。
弊社では、現場での運用を第一に考え、可能な限り従来のHDカメラと同じ感覚と環境で使用することができるようにビルドアップを行っています。
特に私たちデキサが得意としているドキュメンタリー的な要素を活かした映像制作にとっては4Kカメラの持つ「浅い被写界深度」(フォーカスが合う範囲が狭い)がマイナスとなる場合があります。フォーカスが合うポイントがシビアで、追跡取材のように「何が起こるかわからない」という状況下でフォーカスを追い続けることが大変難しい場面が多いからです。この問題を解決するために積極的に活用しているのがオートフォーカスレンズです。
フォローフォーカス従来のデジタルシネマカメラの場合はフォーカスはfocus pullerと呼ばれるフォーカス専門の人員を必要とします。カメラオペレーターに同行して、フォローフォーカスというノブを操作しながらフォーカスを追随します。つまり一名スタッフが増えてしまうのです。これでは現場での人件費が高くなり、制作費に跳ね返ることは必至です。
FS7ではレンズマウントがEマウントのため、デジタルスチル用のオートフォーカスレンズを標準レンズとして使用することができますので、この問題を完全な形とは言えなくても、ある程度解決する手助けにはなります。
業務用にオートフォーカスというと、意外に思われる方もいるとは思いますし、弊社でも今まで採用実績が無かったオートフォーカスですが、従来からENGレンズでもオートフォーカスは業務用のレンズには存在しましたし、様々な映像制作で便利に使われています。
弊社でも、フォーカスがシビアな4Kだからこそ、有効に活用していきたいと思っています。

音声収録は従来通り同時録音2チャンネル対応

音声入力音声については従来のHD-ENGカメラと同様、カメラガンマイクを装備してノイズも同時収録可能です。
その場の雑感音声というものは、「場の雰囲気」というドキュメンタリー的な要素としては欠かせない音声情報です。こうした音声を可能な限り拾うこともドキュメンタリーの現場では必要なことです。
もちろんこちらの4Kカメラの音声入力も通常通り2チャンネルの同時録音に対応していますので、ブームマイクやピンマイクを装着することができます。そのため従来通りインタビューなど音声が重要な役割を演じるシーンでもENGカメラと同様の収録が可能なばかりか、ステレオ音声の収録も可能です。
>>4K映像制作の詳細

10bit高画質以外にも8bit長時間収録にも対応

このFS7の記録面での特徴は、なんといってもXAVCによる記録をメインに考えたということでしょう。XAVCのイントラなら10bit記録ですから、1024階調のなめらかな表現が可能です。
デジタルシネマで一般的なRawデータを使った4K収録では、データのビットレートと記録メディアの容量の都合で、長時間収録ができませんが、FS7の場合は8bitのXAVC-LongGOPによる長時間収録が可能です。これなら64ギガのメディアを使用して1時間前後の収録が可能になります。
もちろんこのLongGOPは8ビットですから256階調での記録になりますので、10ビット(1024階調)のイントラフレームでの収録のようにはいきませんが、それでも4Kを長時間収録することができるメリットは計り知れません。一枚のメディアに長時間記録できるということは、データ転送の手間が現場でかからないということでもあるからです。
PanasonicのP2方式もそうですが、メモリー記録のカメラの場合、現場におけるデータ転送が問題となります。収録中、メディア交換を頻繁に行い、そしてデータを転送するというだけでも、人員を割くことになり、そのぶん予算に跳ね返ってしまうのです。データ転送の手間がかからないというだけで、コスト削減につながり、制作費を抑えることができます。

HD制作においてはカメラの画調を使い分ける

4KカメラとHDカメラの使い分け4KカメラはHDでの撮影も行えます。しかもフィルムのスーパー35ミリ相当という大型の撮像素子での収録ができますので、被写界深度が浅い画を撮影することができます。
通常のHDのENGカメラの撮像素子は2/3インチサイズ(2/3型)がほとんどですので、4KカメラがHD撮影モードだったとしても、この撮像素子の大きさの差が、そのまま画調の違いとなって現れます。そしてこの画調の違いは、作品中のカットごとの性質に合わせて使い分けることができます。
たとえば、ドキュメンタリーの追跡シーンでは、軽量かつ機動性に富んだENGカメラによる撮影を行い、2/3インチ撮像素子のリアリティあふれる画調を活かします。
反面イメージショットや商品撮影などでは4KカメラのHDモードで撮影を行い、大型撮像素子が生む豊かな深い画調を活かすという「使い分け」が可能になります。
今まで、ENGカメラを含め、放送業務用のカメラの撮像素子は2/3インチサイズが一般的でした。これはENG(エレクトリック・ニュース・ギャザリング)が、ニュース素材を集めてくるという用途に基づいていたため、何が起きるかわからないニュース収録現場においては、大判35mmサイズの撮像素子が持つ浅いフォーカス深度が扱いにくかったからでもあります。しかしドラマやCMなど、ニュース以外の用途についてはこの限りではないにも関わらず、テレビやVP制作においてはENGカメラしか選択肢がないという状況でした。この状況を打破したのが、FS7を含む35mmサイズ撮像素子を搭載したデジタルシネマカメラです。
弊社デキサでは、今後制作する作品においては、こうしたカメラの使い分けを徹底して行い、作品のクオリティ向上に役立てたいと考えています。
>>カメラの使い分け

時代を追いつつ基本に忠実な映像制作技術

デキサはテレビ番組からウェブ動画まで、一貫して「高いクオリティをリーズナブルに」というポリシーで制作を続けています。

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※ENGカメラの撮像素子は通常「2/3インチ」と言われますが、実際にはそのイメージングサイズの対角線は11㎜前後です。このイメージングサイズを規格上は「2/3型」と言います。これは昔の撮像素子として使われた真空管の一種である「撮像管」の直径から換算しているからです。例えば直径2/3インチの撮像管の断面で描けるイメージングサイズはおよそ対角線11㎜であるため、このサイズを「2/3型」と呼称するようになりました。こうした由来のため、正確には「2/3インチ」ではなく「2/3型」と言います。2/3型撮像素子のイメージングサイズは、大体16㎜フィルムより少し小さい程度となります。当サイトでは、あくまで一般の方々が理解しやすいように「2/3インチ」の呼称を用います。
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