3Dスキャンによってモデリングを効率化
3Dスキャンは近年その機材のコストが下がってきたため広く使われるようになってきた「三次元形状をデータ化するための手法」の一つです。
ソフトウェア上で立体物を手作業で描いていく一般的なモデリング作業は大変な労力を要します。そのため赤外線やレーザーなどを用いたスキャナーで形状を一気に読み取ってしまおうというのが3Dスキャンの考え方の基本です。
3Dスキャンは光を用いて対象物からの反射をセンサーで受けることで、対象物の形状を読み取ります。データの形は簡単に言えば点の集合体として得られます。これを「点群データ」といいます。そしてその点と点を線で結ぶことで、一般にCGソフトで用いられているポリゴンデータに近似なデータを得ることができます。
弊社でも3Dスキャン事業は行っておりますが、自社でスキャンしたデータ以外にも、これまで多くのプロジェクトの中で様々な団体が3Dスキャンして得られたデータをお渡しいただき、それを活用し、CGをモデリングし、そして映像化を行ってきました。
作例の紹介~大谷観音像3Dスキャンデータ活用
例えば以下の大谷観音像は近畿日本ツーリスト様が企画した映像コンテンツのために作ったCGです。栃木県立博物館様が主体となって3Dスキャンを行った点群データを弊社のほうで受取り、そこから映像としてレンダリング画像を起こすという作業です。
この映像作品の場合、今の岩肌が露出している大谷観音像のみならず、漆で朱色で彩られたり、金箔による化粧を施されたりしていた過去の大谷観音像の姿を可視化したいというご要望があり、テクスチャの作成も行いました。
3Dスキャンしたデータがあれば、実物と変わらない状態に三次元データ上で加工を加えて可視化することが可能です。
作例の紹介~大谷採石場跡
有名な地下宮殿、大谷石を切り出した大谷採石場跡の内部です。こちらは栃木県立宇都宮工業高等学校様が2018年に3Dスキャンを行った点群データを基にして、線形状モデリングしなおしたという事例です。
私たちの理解では、この大谷採石場の全体を初めて3Dスキャンしたのは、2018年の栃木県立宇都宮工業高等学校様と認識しています。その後も2021年から宇都宮大学様等の混成チームがクラウドファンディングを用いて3Dスキャンするなどの活動が続いておりますが、展示施設や博物館にとって、展示物や収蔵品、そして文化財などを3Dデータとして保存することは研究のためにも、また展示物の選択肢や方法論を増やすという意味でも大変有用なことです。
弊社デキサホールディングスでも、こうした3Dスキャンを規模に応じて適切にコーディネーションいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。手に乗るような小さなものから、大きな建築物まで幅広く対応いたしております。
CG制作の費用について
3D-CGモデルは上記のような段階を経て作られます。コンピュータを道具として使うというだけで、実際には粘土細工のように手作業の世界ですので費用もかさむという欠点があります。もしCADなどの形状データがあったとしても、それをそのまま使えるわけではなく、改編してCGの素材として適当な形にクリーニングをしなければなりませんので、結局は手間のかかる作業であることに変わりはありません。
費用については上記の「モデリング」以外にも「レンダリング」「レタッチ」を加えた三つの項目にかかる費用の合計で見積りますが、詳細はCG制作の費用のページをご覧ください。