もはや当たり前となった文化財の3D-CG制作
博物館の収蔵品など、文化財の三次元形状を正確にデータとして残す。またはその文化財が過去にどのような姿だったのかを再現するなど、CGを活用した文化財の「保存」と「可視化」は、もはや今という時代においては「必要」「当たり前」となっています。
三次元形状を3Dスキャナーでスキャニングして高解像度の立体モデルとして保存するような事業も、3Dスキャナーのコストが下がってきた今だからこそ現実的だと言えます。
とはいえ3Dスキャンでは点の集まり(点群データ)としてスキャンされますので、その点と点を線で結び「ポリゴン」にする必要がまずあります。ところが多くの文化財・芸術品は凹凸があり、また空洞も存在します。こうした凹凸に応じたスキャンの密度調整が、スキャン段階では良いデータの秘訣となります。
弊社ではこれまで様々な形状データを3Dスキャナーで行ってきた実績があります。小さなものならターンテーブルに乗せてスキャナーを固定してデータを取るなど、様々な工夫を凝らしてきました。ぜひ、弊社が蓄積してきた良いデータを取るためのノウハウをご活用いただければと思います。
CG動画化するための方法論
さて、文化財などの形状を記録してデジタルアーカイブ化するまでは「正確無比に行う」「凹凸の様相によりスキャンの密度を調整する」などの手法でなんとか完成しますが、いざ、このデータからCG動画を作り映像作品を作るとなると、このままのデータではまったく使えません。
まず、正確な点群データから作りこんだポリゴンデータはデータ量が多いため、動画にするには無駄も多く、クリーニング作業を経てからでないとCG動画のモデリング素材としては不適格です。
弊社ではどこをどうデータ圧縮し、どういう部分にデータ量を割り振るか?といった実践的な経験値も多く、軽量で良質な動画制作用ポリゴンデータを作成することができます。
さらに点群データから線形状を作り上げるような作業も可能です。特に四角や円など幾何学的な形状が多い部分は、点群データそのものを用いてレンダリングするより、点群から線形状をトレースし直してコンピュータで扱いやすいデータにするという手法も使えます。
また表面の質感(テクスチャ)も写真撮影を行い、その写真から抽出したテクスチャを貼りこみリアルな質感を演出するなど、過去に蓄積してきたCG制作のノウハウがすべて投入されています。
このように、いかにして動画化するか?といった「映像屋としてのノウハウ」も、CGを制作するばかりか映像全体をプロデュースする弊社ならではの強みです。
異種業界での3Dスキャナー活用がコスト低減の源
例えばゲームの世界などでは3Dスキャナーを活用して様々な形状データのアウトラインを取るなど、日常的に3Dスキャナーは使われています。そしてこうした他分野における3Dスキャナーの活用がコストダウンを実現する源となってきました。
これまでコストがかかりすぎて多くの文化財をデジタルアーカイブ化できなかったような例でも、今なら比較的リーズナブルに実現できるかもしれません。
弊社ではハンディタイプの3Dスキャナーを用いてデータ収集を行っています。接触式の3Dスキャナーは使いませんので非侵襲でデータ収集をすることが可能です。ぜひご相談ください。
CG制作の費用について
3D-CGモデルは上記のような段階を経て作られます。コンピュータを道具として使うというだけで、実際には粘土細工のように手作業の世界ですので費用もかさむという欠点があります。もしCADなどの形状データがあったとしても、それをそのまま使えるわけではなく、改編してCGの素材として適当な形にクリーニングをしなければなりませんので、結局は手間のかかる作業であることに変わりはありません。
費用については上記の「モデリング」以外にも「レンダリング」「レタッチ」を加えた三つの項目にかかる費用の合計で見積りますが、詳細はCG制作の費用のページをご覧ください。