映画「デス・ウィッシュ」の登場
今日は、趣味の映画の話でもしてみようかと思います。興味がある方はご一読くださいませ。
先日、Amazonプライムをダラダラ眺めていたら、ブルース・ウィリス主演の『デス・ウィッシュ』(Death Wish)があったので、観てみました。感想としてはなかなかどうして、骨太で素晴らしい映画。無駄が無くシンプルですし、メッセージも的確に伝わってきます。何より時間を忘れて楽しめる。
映画は時代を映し出す鏡
私は時間があると映画ばかり観ているオタクですが、行きついた結論が「映画はエンタティメントであるべき」という考え。やはり誰が観るかわからないのだから、せめて大多数の方々が「あー、面白かった」と言って見終えることができるものが望ましい。
さらに言うなら、その映画を観て観客が「そうそう!そうなんだよ!」と応援できたらなお結構。応援できるためには、その映画の根底に流れる感情的な背景や舞台となる社会の持つ歪みが、今、その映画を見ている人が納得でき、共感できるものであることが望ましいわけです。そしてそうした社会に対する怒りや絶望が主人公を突き動かす。だから観客は「してやったり!」と応援する気分になれる。
つまるところ、映画に限らず映像作品というものは、作品が生まれた時代を背景として持っています。言い方を変えると、時代が求めるから制作されるのが映像作品というものなのです。そうでなくては観客の共感を得ることができないわけです。
御存知の通り、この『デス・ウィッシュ』(Death Wish)という映画は1974年公開の『狼よさらば』のリメイクですね。74年版はチャールズ・ブロンソンが主演でした。渋いですよねー。日本では「うーん、マンダム」で有名だったおじさんですね。
映画のあらすじは非常に簡単。このおじさん演じる主人公ポール・カージーの奥さんと子供が、街の強盗に襲われてしまう。しかし警察は役に立たない。そこでポール・カージーは自分の信じる正義のために、慣れない拳銃を買い求めて夜な夜な街に出て悪党どもをやっつける。
要するに当時のアメリカは犯罪天国。警察はアテにならない。だから自分で悪党をやっつけようとする主人公に多くの観客が共感できるわけですね。
同じころ、『ダーティ・ハリー』シリーズがヒットしていたのもうなづけます。あの映画も「法律が悪者をのさばらせている」という国民の怒りを象徴する存在としてハリー・キャラハン刑事が生まれたのでしょう。つまり、ポール・カージーも、ハリー・キャラハンも、時代が求めたからスクリーンに現れたと言えるのです。
今なぜ『デス・ウィッシュ』の登場か?
じゃあ、なぜ21世紀の今、このタイミングでリメイクである『デス・ウィッシュ』が制作されたのか?犯罪が増えた?アメリカ大統領がトランプだから?
これは多分ですが、「家族」というテーマでは?と私は薄々思っているのです。アメリカをよく知る人は、とにかく生活が大変で家族を食わすのが大変と言っていました。富が一部に集中し、その象徴のようなトランプ氏が大統領になった。しかし大多数の国民は相変わらず家族を守ることに精いっぱい。大企業は堅調に伸び、経済は相変わらず回っているが、都市部の人は家賃も高いし本当に苦労しているという現実。
さらにジョージ・フロイド氏への警察官による暴行が今問題となっていますが、こうした差別的な扱いをする警察に対する不信感というものは今に始まった事ではないようですし、こうした警察に対する不信感は、アフリカ系に限らず、多くのアメリカ国民も持っているように感じます。事実、フロイド氏の死を巡る抗議デモの映像を見ると、その人種は実に多種多様なダイバーシティ状態です。
昨今のアメリカからのニュースを眺めていると、「確かに今、この国にはポール・カージーが必要なのかもしれないな」と感じさせるものがありました。
映画は、ロールが上映される以前からその物語が始まっています。それは個々の観客が映画館に足を運ぶまでの人生という物語です。その観客の物語と映画の物語が連続性を持つからこそ映画は輝くとも言えるのではないでしょうか。
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