映像制作の現場からタイトル
2023/9/26公開

CGの発注は責任ある方からお願いします

さて、久しぶりの更新です。
「テレビの常識は世間の非常識」って言葉がありましたが、本当です。

うちはテレビ番組のCGやイラストを手掛けているので、ほんとよくあることではあるのですが、若いADさんから電話かかってきて見積依頼していくのは良いのだけど、細かい事情がまるで分かっていないから、こちらも見積なんか出しようがありません。
で、「ディレクターはいないの?」「プロデューサーはいないの?」と聞くと、たいてい、お決まりのように「ディレクターさんはいらっしゃらないです」なんておかしな答えが返って来る。

普通は身内に「さん」とか「いらっしゃらない」なんて言葉は使いませんよね。敬語や謙譲語の知識がまるでなってない。というのもそうなのですが、それ以上に、何かプロデューサーやディレクターを雲の上の存在と言わんばかりに恐れているように見える。一体何を恐れているのだろうか???

そもそも、プロデューサーやディレクターは一体どこで何をしているのでしょうか。なぜCG発注という大変お金がかかることを、ADがやっているのでしょう。普通はそれなりに決定権を持つ人から電話をかけるべきですが、そうした常識ある局や制作会社が少なすぎる。

PやDは何をしている?

ADさんといってもチーフクラスから発注の電話がかかって来るならまだわかるんです。でも、「これは明らかに新人だよな」と電話でわかるレベルの人からかかってくるから困るんです。
こちらだって商売ですし会社ですから、契約については厳密に三条書面を用意してもらわないとならないし、その根拠となる見積については、条件を定めてしっかりと検討してから計算しないと、あとでひっくり返る可能性だってありますから、日本語がおかしい人からの電話では、怖くて見積も出せません。せめて、こちらが不安にならないように、ちゃんと日本語話せる人から電話もらえると本当に助かる。

普通の会社なら、外部の会社に電話をかけるようになるには、最低限度の研修を経てからと相場は決まってる。なぜかというと、信用にかかわるからです。でもテレビ業界にはそういった文化が無いんです。

こういうADさんからの電話を受けていると、プロデューサーとかディレクターとか、もっと上は一体何をやってるんだろうと思う。テレビのCGやイラストの緊急発注は、8割以上がADさんからで、ディレクターやプロデューサーからかかってくることは2割に満たない。緊急ですから数十万円から数百万円の取引になる可能性だってあるのですが、それを新卒2年目とかの新人ADさんから発注させるとか、正気とは思えないことが起きている。

こっちが「いや、そんな話、あなたからじゃ受けられないよ」って言わなかったら、一体どうなることやら。うちは親切だから「ちょっと待った、あなた何を発注しているかわかってます?」と聞くから途中で止まるけど、これ、引き受ける会社だってあるでしょ?そして数十万ならまだしも、数百万の請求が行ったらどうするつもりなのかと本気で思います。プロデューサーまでクビが飛ぶ可能性だってありますよ。

さて結論です

さて、テレビ関係者にお願いします。CGなどお金がかかる発注は、ちゃんと決定権を持つ人が自分で電話をかけてきてください。そうじゃないと弊社は怖くてお引き受けいたしかねます。

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