映像制作の現場からタイトル
2022/8/20公開

後処理で動画素材に修正加工を加えたい

スタジオにカーテンをCGで合成した修正編集事例

スタジオに無いカーテンを後処理段階でCGを活用して足した事例、キー抜きやCG制作など多くの工程から成立

テレビ番組の現場制作者からよくご相談を頂戴するのが「自動販売機のデザインを変えたい」「余計なものが映り込んでしまっているので消したい」「撮影の時に無いものを映像に足したい」などの後処理による修正作業です。その内容を大きく分けると…

●撮影で写っている状態に何らかの変更を加えたい
●余計なもの=デモノハレモノを消したい
●撮影時に無いものを足したい

という三つの作業が、よくご相談を頂戴する主な修正の内容となります。下記の参考リンクページにそうしたサービスの内容を記載しておりますのでぜひご覧ください。

>>参考リンク~弊社CGによるVFX加工

最近はAfterEffectsでの後処理を過大評価しているディレクターもいるので「こんなもん後でなんとかなるだろ」くらいの勢いで、デモノハレモノが映っていてもそのまま撮影を継続してしまうようなこともあるようです。しかし、それ、落とし穴なのでご注意を。

過大評価されるVFX技術

電線をVFX-CGで消去こうした編集段階(ポストプロダクション)での後処理を「VFX」と呼びます。特撮などを意味する「SFX」と違い、VFXは後処理で何かの加工をすることを意味しています。
AfterEffectsなどが代表的なソフトウェアですが、いかにも「なんでもできますよ」的な売り方をAdobeがしていることもあるのですが、ふだんAfterEffectsを使わない映像制作現場のディレクターさんからは大変な「過大評価」を受けており、あたかも「ボタン一つで何でもできる」と思っているようなフシがあります。しかし条件が整わない状態では何もできません。元の動画素材が一定の基準を満たしていないと、やはり「どこか不自然」「完全に作りものですよね」とわかってしまう違和感だらけの修正しかできません。これではプロの仕事にならないのです。
後処理で行う加工という定義ではあるのですが、やはり撮影段階から「後処理できる素材」を撮影しておく必要があるのです。これをちゃんとやらないと、後で膨大なお金と時間がかかり、予算管理しているプロデューサーから大目玉をくらうことになります。

例えば上記の動画キャプチャ。電線が邪魔だったので消したのですが、撮影段階からカメラ設定なども弊社から指示をさせていただきました。ですから後処理で困ることなく、15秒450フレーム900フィールド程度の放送用インターレース動画ファイルの修正を三日間以内で仕上げることができています。
私自身が事前に撮影現場のロケハンも行き、後処理のプランも練って、撮影時刻の太陽光の回り込み具合などを観察し、フレームレート、シャッタースピードなども計算し、ロケ場所に対するマーキングをするか?なども考慮し、必ずうまく行くように撮影の技術クルーと情報交換しつつ撮影するのです。もしカメラ設定が合成に合わない場合は弊社からカメラ機材一式を提供する場合もあります。
シャッター速度によるブレ(ブラー)についても、撮影する対象によって、普通にシャッター速度をノーマルで撮影して良いか?それともシャッター速度は短くして動きを止め、ブラーを合成後の後処理で人工的に加えたほうが良いか?そうした総合的な判断が求められます。
もちろんAfterEffectsにはモーションブラーの機能もありますが、それを使うか使わないか?使うなら素材はどのようにしておくか?こうした総合的な「長年の経験値」がモノを言う世界です。適当な素材を撮影しておいて、後からソフトのボタンをクリックすればすべて解決するような生易しいものではありません。
私らはAdobeがPremiereを売り出した時から使っていますし、AfterEffectsも黎明期からの経験があります。正直この20年間、ソフトの処理能力や精度などほとんど向上していません。使いこなしのほうがクオリティを担保する上では重要です。
こうしたVFXの世界は確かに日進月歩ではあるのですが、AIによるマスキングなども、最近やっと空をキレイに処理できるアルゴリズムが出てきて「少し便利になったよね」というレベルです。結局は人が時間をかけてやらないと何もできません。

まずは撮影前に私たちプロを呼ぶ

大切なことは、まずロケハン段階で何か後処理が必要とわかった段階ですぐに私たちに連絡をすることです。それがキレイに後処理を行うコツ。先ほど紹介した路地裏の電線の消去作業は、映像業界では老舗のジッピープロダクション様からのご依頼でした。さすがに老舗だけあり、プロデューサーの森様もよく心得た方で、こういう加工の難易度もわかった上で弊社にご相談を事前にいただいていたので、短時間&低予算で間違いない加工作業を行うことができました。おかげ様でお互いの信頼関係も構築することができましたし、結果を残すことができました。
一番まずいのは中途半端にVFXの難しさを知らない人が素材を撮影してしまうことです。後で「安くやってほしい」と言われても、マーカーも無い状態ではマッチムーブしにくいので時間もかかるし手間も余計にかかるので、結局は一コマずつ手作業で微調整を繰り返すようなことになります。自動追尾と違い手作業ではどうしても余計な動きが出てしまう恐れもあります。マーカーがあっても手作業では限界があるのに、何も指標が無い状態で手作業でキレイに合成できるわけがありません。「プロだからできるだろ?」は甘いのです。もちろん何も経験値が無い人よりは上手く手作業でも処理しますが、それでも不自然さは出てしまいます。

スタジオ収録素材修正編集

カメラの動きなどを自動追尾(マッチムーブ)してCG素材を作り、それをモーショントラッキング合成した事例

もし、何か修正作業が発生しそうな案件があるなら、最初から私たちに映像作品全体をプロデュースから任せてもらったほうが良い場合もあります。弊社はCGでも在京キー局の全てやCM制作会社に出入りするCGサプライヤーですが、もともと本業は映像制作会社であり、映像完パケを納品するのが仕事です。しかも何かあればCGを使ったVFX技術も使うことができます。もっと言えば、カットそのもの全体をCGで作り込む逃げ方も可能。つまりフレキシビリティが高いのです。(お金はその分いただきますが…)

弊社のプロデューサーや監督(ディレクター)であれば、CGについても造詣が深いので、「もしも」の時に頼りになるはずです。

映像制作スタッフ

弊社映像制作現場の事例。デキサはCGだけではなく映像制作も行う総合プロダクションです

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