相見積は映像制作には不適切です
一般的に何かを発注する際、どこの業界でも普通に行われている「相見積」ですが、映像制作の場合はあまり相性が良くありません。これから映像制作をお考えで、どうやって予算を決定したら良いかわからないという状況であるなら、まずは「業者選定」を先にすることをオススメします。
相見積をするより、いろいろな映像制作者と実際に電話でも良いので話をして、信頼できる映像制作会社を選び、そこに「●●円でなんとかできないか?」と相談したほうが賢明です。
相見積という予算設定方法が適切でないと断言できる理由はいくつかありますが、ここにご紹介したいと思います。
映像のクオリティは仕様書に書けません
数社の映像制作会社の価格を比較するなら、当然、「同じクオリティの映像」を作る前提で料金を比較するべきです。
では、どうやってその「同じクオリティ」を定義するのでしょうか?映像の仕上がりの良し悪しを客観的に数値化する方法があるのでしょうか?
まず思いつくのが「仕様書」によるクオリティの定義でしょう。一般的に工業製品を買うための相見積なら、当然、仕様書を先に業者に見せて、その仕様書通りの品質で作成した場合の料金を比較するはずです。ところが映像の場合は、仕様書では品質のすべてを書き記すことはできないのです。なぜなら、映像制作に携わるクリエイターたちの能力やクリエイティビティは数値化できないからです。数値という客観的な物差しでは測れないのがクリエイターの能力であり経験値です。
同じ「尺●分、イベント上映用、ナレーションあり、CGあり」といった仕様書から、たぶん10倍近い開きがある見積書が各社から上がってくるはずです。
当然、安価な見積を出す会社は安価なりの作りを想定するでしょうし、高い見積書を出すところは高いなりの根拠があるはずなのです。そして例外なく「安い見積」から生まれる映像は「安い映像」でしかありません。
「同一条件下での見積比較」ができない以上、相見積は成立しません。
安ければいいのか?
相見積というのは「安価な業者を選定する」という意味合いを持ちますが、クリエイターであるなら誰でも「安く見られたくない」「安ければいいなら、それなりのアマチュアにやらせればいいだろう」という感情を持つものです。まして一流の現場で活躍している本物のプロならなおさらです。
こうした感情的な問題は、制作過程を通して創作物のクオリティにある程度の影響を与えると考えて良いかと思います。誰だって安く見られて良い仕事はしません。
弊社のサイトでこういうことを書くのは気が引けるのですが、一般論として本当のプロの映像制作者は常に忙しく、仕事は山のようにあります。仕事を選べるのです。「業者を選んでやる」「仕事を与えてやる」という姿勢が見えた段階で鼻にもかけないでしょう。
こうした感情的な問題があるため、弊社ではたとえ弊社だけでなく他社様へのお声掛けの場合でも「相見積はおやめになったほうが賢明です」とお伝えしています。
安価な会社は安い仕事しかしません
例えば「映像制作を10万円からご提供」という謳い文句にしている映像制作会社があったとしましょう。プロならこの金額はありえません。
本物のプロ用のカメラは安いものでも数百万円します。そのカメラに付けるレンズだけで200万円以上、それを標準レンズとワイドレンズの2本持ち歩くのが一般的です。三脚は100万円、マイクも50万円の世界です。
また、一流の現場を踏んできた一流のスタッフはとても高給取りです。高くても使いたいからこそ、弊社もこうしたスタッフに惜しみなくギャラを支払います。
このような投資をしている仕事を10万円でご提供できるはずがないのです。もし弊社と同じクオリティの映像制作を10万円でやってくれる会社があるとしたら、弊社がその会社に仕事を丸投げします。しかしそうはなっていません。なぜなら10万円の映像制作をしている会社は10万円の仕事しかしないことをよく知っているからです。
10万円の見積書から生まれる映像は10万円の映像、200万円の見積書から生まれる映像は200万円の映像です。そして弊社デキサは200万円で300万円の映像を作ることを目指しています。
デキサは相見積をお断りしています
上記のような理由から、弊社では相見積のご依頼は基本的にお断りいたしております。弊社の見積は決して安価ではありませんが映像のクオリティからすれば適正な価格以上の価値ある映像を生み出しています。他社と価格競争する必要性も感じませんし、そうした不毛な価格競争が業界全体にとっては悪い方向にしか働かないと確信しています。
またこのページでご説明したことは、同業他社様も同様の事情と思っていただいて間違いありません。相見積を依頼すれば一応は出してくれるでしょうが、ほとんどの場合は「お仕事モード」での対応となり、あまり良い結果に結び付くとは考えられません。
くわしくは下記リンクの「見積段階の留意点」を参考までにご覧ください。
結論として業者選定が先
相見積が映像制作業界と相性が悪いということはお分かりいただけたものと思います。相見積がダメならどうすれば良いのか?まずは信頼できる映像制作会社を選ぶことです。そして最低でも100万円の予算を用意して相談しましょう。目指すクオリティにもよりますが、会社の広報用映像などの場合はこの位の予算が無ければ、見栄えとして普通の映像はまず作れません。
映像制作会社の選び方は簡単です。電話を多くの映像制作会社にかけて相談してみることです。そして直観で「この会社いいな」と思うところを選ぶだけです。選び方は話してみた直感で良いのではないでしょうか。しかし注意すべきは「映像の制作能力があるかどうか」を見極めることです。それまでの経歴などを細かく聞いてみると良いでしょう。最近は自社ではプロデュースのみしか行わず、ディレクターも外部という会社も存在します。ウェブ上で動画の活用が盛んになった2010年代に入ってから、実はこうした「中間代理店」も増えているのです。実際にどのような現場で育ったスタッフなのか?見極めてから先に話を進めるようにしましょう。
相手が本当にプロであるとわかったら、次にどんな映像を作りたいのか、イメージできる範囲でかまいませんので話してみると良いでしょう。どうやって制作するのか、またどの程度の予算を組めばできるか説明してくれるはずです。
その説明を聞きながら、信頼できる相手かどうか見れば良いと思います。そして気に入った会社の担当者を呼んで実際に会ってみると良いでしょう。
弊社デキサはお客様にとってベストチョイスです
映像制作会社も様々です。結婚式ビデオを作っている会社、幼稚園のイベントを撮影している会社、映画制作会社、CM制作会社、テレビ番組制作会社。これらは「映像制作会社」ではありますが、似て非なるものです。
私たちは10万円の映像は作れません。しかし在京キー局のゴールデンアワー番組を渡り歩いたディレクターとカメラマン、そしてCGクリエイターが集まる会社です。皆さんが普段目にしているような番組を作っているスタッフに、貴社の映像を作らせることができるのです。
私たちは安さは売りません。価格交渉も乗りません。しかし在京のキー局ゴールデンアワーの番組を手掛けてきたスタッフが、最新のHDや4Kといった放送グレードの機材を用い、さらに三次元CGやイラストアニメーションまで含めトータルに映像をプロデュースできるため、価格以上の価値をご提供できる数少ない「本物の映像制作プロダクション」です。結果としてコストパフォーマンスの高い成果を上げることができると思います。
ぜひ、映像制作会社選びは値段ではなく、「プロかどうか」で決めてください。
映像制作業に免許はありません。だからこそ怖いのです。50万円をケチったばかりに、プロではなく素人に映像を作らせてしまう危険性すらある業界です。適性な費用を支払いましょう。それが一番の自衛策になります。