権利買い取りの費用
映像というものは、作ったらどこかで上映や頒布を行うものです。つまり映像というものは公開するために制作されるものであり、言うなれば映像を制作することと公開することは一体であるとも言えるでしょう。
しかし映像を含めて創作物には著作権という権利が存在します。
映像などの創作物を公開することによって得られる利益を誰が享受するべきか?これを定めているのは著作権法です。ここで詳しい解説は差し控えますが、この著作権は創作物が完成した瞬間には、「著作者」に自動的に発生するとされています。では映像の場合、一体誰がその著作者になるのでしょう?
お金を払って映像を作らせたのはお客様ですから、当然お客様にその著作権があるように思います。しかし意外な事に法律的には実は違うのです。創作物がどのようなものかにもよりますが、映像の場合に限って言えば個人で作ることよりも法人で作ることが多いため、一般的には「法人著作」の扱いとなりますので「制作の主体」となった映像制作会社、つまり弊社デキサが法的な著作者であり、間接的には弊社に所属または契約しているクリエイターとなります。
そのため、完成したばかりの映像作品の権利を譲る段取り、つまり「著作権譲渡」を行わない限り、例えお客様であったとしても著作者である弊社に無断でその映像を公開することができません。
(詳しくは著作権法の解説ページをご覧ください。)
その映像を公開するためには、お客様はまず著作権という権利を弊社から買い取り、譲渡を受ける必要があります。そして一般的な映像業界の慣習では、映像制作のための費用と権利買い取りのための費用は別に考えることになっています。
弊社の見積は著作権譲渡が前提です
弊社では、お客様から発注をいただいて制作開始する、いわゆる請負による制作を行う場合、見積段階で案件ごとにお客様にとって必要な権利をお譲りする前提で費用計算を行っています。公開や頒布を自由に行っていただないことには、お客様が映像作品を作るメリットがなくなってしまうからです。お客様にメリットがなくなれば、弊社もビジネス上好ましくない状況になります。
また、一般的には企業広報や商品PR動画などの場合、お客様の会社や商品をPRすることが目的で制作されていますので、私たちクリエイターが権利を持っていても利用価値がありません。
そこで、著作権における財産権は、著作権法第27条に記された再編集権および28条に記された二次制作物の権利も含めお客様にお譲りする基本方針でおります。
権利の料金につきましては、それぞれの見積項目に少しずつ乗っているものとお考えください。それぞれの担当クリエイターたちが権利を手放し、お客様がご自由に映像ファイルをお使いいただけるように権利の買い取りも含めての見積とご理解いただければと思います。
一部例外があります
請負による制作の場合でも、一部に例外もありますのでご注意ください。個別の案件ごとにご相談申し上げますが、例えば映像作品に挿入される資料映像の権利など、100%売り切りにできない性質の素材が存在します。また、モデルやタレントの権利というものは細分化された権利のうち、必要な一部分のみを買い取りとする場合があり、こうした権利関係は個別の契約によります。
さらに、映像作品中に挿入される三次元CG動画の場合、そのレンダリング画像の元となる三次元形状データの権利は別扱いであり、その著作権は弊社に帰属します。
もちろん商品PRで使うCGなど商品そのものの形状をトレースした三次元データ等の場合は、弊社がそのPR動画のためにモデリングしたものですので、弊社が所有して二次利用する利点はありません。この場合はCGのモデリングから費用をご負担いただきます。
しかし汎用性が高い形状データの場合は弊社が形状データの二次利用を想定して譲渡する権利を限定してモデリング費用を見積もりますので安価になる場合があります。こうした二次利用可能なCGモデリングの場合は弊社も見積に反映させますので、リーズナブルに済む場合もあります。
著作権についての詳細は以下のリンク先をご参照ください。