マスターファイルからDVDパッケージメディアができるまで
DVDやBlu-rayといったディスクメディアはカタチがあるという点で、ウェブでの公開や上映といった方法とは違う魅力があります。パッケージデザインが美しければ、ディスクそのものを保管してもらえる可能性もありますし、いわゆるITに不慣れな層でもディスクをプレーヤーに入れれば再生できるDVDやBlu-rayは訴求効果という点でも大変魅力的。
ここでは、そんなディスクメディアの料金について見てみることにします。(※注1)
前提として、弊社で制作した映像作品が、すでに高画質なマスターファイルとして完成している状態から、頒布することができるディスクメディアのパッケージになるまでの料金を概算でご紹介するものとします。
デザイン制作の料金相場
↑メニュー画面などデザイン制作が必要
プレスを行うためにはディスク盤面のデザインと、必要に応じてジャケットのデザインを行わなければなりません。また、メニュー画面を備えるディスクオーサリングを行う場合は、メニュー画面もデザイン制作しなければなりません。
こうしたデザインにはDVDならDVDの、Blu-rayならBlu-rayの決まったスタイルがあります。またプレスを担当する工場のある国によっても決まりが違うことがありますので注意すべき点が多く、こうしたデザインワークを常日頃行っているデザイナーにお任せいただくのが一番です。
およその相場として盤面デザインとジャケットデザイン、そしてメニュー画面1点で、イラスト制作などをオリジナルで行う場合、6万円ほどの予算を組んでいただければ十分だと思います。
エンコード・オーサリングとプレスの作業単価相場
バルク状態のプレスDVDディスク
まず、エンコード・オーサリングとプレスの各作業単価を見てみましょう。これらの作業によってバルクと呼ばれるDVDのディスクが出来上がります。
ただしバルクのままではディスクのみが束なった状態ですから、保護するケースもありませんので配布できる状態ではありません。そのためプレスをした後のジャケット制作やパッケージング(後述いたします)などの作業は不可避です。
また、盤面デザインやパッケージデザインも費用がかかりますので、そうした費用全部をひっくるめ、ここでご紹介するオーサリングとプレスの料金は、盤そのものを作るまでの料金とご理解いただければと思います。
エンコードの費用
映像ファイルをDVD-Video形式のmpeg2に変換するための費用です。必要に応じて動画ファイルを切り分けて変換する場合もあります。以下に映像ファイル一本あたりのエンコード費用をご紹介します。なお短い動画が複数本ある場合など、一本化されていない場合は別途工数換算で見積りをいたします。
作品時間 | 単価(弊社の正価) |
30分以内 | 9000円 |
60分以内 | 12000円 |
90分以内 | 16000円 |
120分以内 | 20000円 |
※上記金額は一本化された映像作品を一気にエンコードする場合の料金となります。コマ切れの動画ファイルをそれぞれ個別にエンコードする場合は別途見積をいたします。
※映像作品の性質によっては映像作品全編を一気にエンコードせず、チャプターごとにばらす必要がある場合があります。この場合は編集を行う必要がありますので、改めて編集費をご案内いたします。
※作業の詳細につきましてはディスク制作のページをご覧ください。
※2023年現在の相場で記載しております。
オーサリングの費用
アドビ・アンコール
エンコード済のファイルをメニューと関連付けしてDVDのプレスマスターを制作するまでの作業単価です。
弊社ではアドビ社のアンコールというソフトを用いたオーサリングを行っています。
柔軟性に富み、業務用レベルのディスクオーサリングが可能です。
価格表には掲載していませんが、動画によるメニュー画面などにも対応しておりますので、ご相談いただければ対応させていただきます。
作業内容 | 単価(弊社の正価) |
メニュー設定 | 1メニュー画面につき5000円 |
チャプター設定 | 1か所につき500円 |
デジタルコピーガード設定 | 5000円 |
プレスマスター出力 | 10000円 |
※上記以外に検証盤をご希望の場合は1枚1000円で出力いたします。
※メニュー画面デザインなどは別途となります。
プレスの費用
プレスは海外の工場に委託します。そのためここではおおまかな金額の相場をご紹介いたします。その時にベストと思われるプレス工場をご紹介いたします。2023年現在での相場で、あくまで目安となります。
発注枚数 | 海外プレス工場の料金相場 |
1000枚の場合 | 60000円前後(一枚あたり60円前後) |
2000枚の場合 | 110000円前後(一枚あたり55円前後) |
3000枚の場合 | 150000円前後(一枚あたり50円前後) |
5000枚の場合 | 225000円前後(一枚あたり45円前後) |
パッケージングの価格相場
エンコード・オーサリング、そしてプレスが終了し、バルクの状態でのDVDディスクが完成しました。続いてはパッケージを行う段階です。
トールケースに収納する場合
通常の販売DVDの場合は、トールケースというプラスチック製のケースの透明ポケットにジャケットを入れ、ディスクを収め、シュリンクというフィルムパッケージをして密封するという段取りとなります。
項目 | 相場 |
トールケース | 100枚5000円~6000円 |
ジャケット印刷 | カラー1000枚8000円~12000円 |
ディスク入れ | 1枚12円前後 |
ジャケット入れ | 1枚15円前後 |
シュリンク包装 | 1枚30円前後 |
不織布袋に収納する場合
また、もっと簡便な「不織布袋」にディスクを入れるだけという方法もあります。これらはトールケースよりも安価で、なおかつ裏に糊が付いている袋もあり、パンフレットなどに貼り付けて人に渡すことができるので、大変人気があります。
項目 | 相場 |
リングファイル用不織布入れ | 20円前後 |
透明CPP袋裏糊付入れ | 40円前後 |
蓋付不織布裏糊付入れ | 40円前後 |
代表的なDVD制作の見積事例
単価だけですと、どう計算したら良いかイメージしにくいと思いますので、代表的なDVD案件を例にして、エンコードからプレスまで一体どの程度の予算を組んだら良いのか?見積の事例をご紹介しましょう。
教材動画DVDトールケース入り~5分×12チャプター=約60分
60分前後の販売用教材動画を想定します。5分程度の章が12チャプターあるような場合です。こうした盤を1000枚プレス制作した場合の料金をご紹介いたします。(※注1)
この場合、60分以内ですからDVDは片面一層で良いでしょう。映像のビットレートにもよりますが、大体80分程度までなら片面一層でも十分な画質を確保することができます。90分を超えたあたりから映像のちらつきや輪郭の荒れが目立つようになってきます。
プレスは海外プレスを活用するパターンでご紹介します。国内工場はスピードの点などからも好ましいことが多いのですが、台湾や韓国など海外工場もクオリティは問題ありませんし何より安価です。
項目 | 料金(1000枚プレストールケース収納の場合) |
盤面・ジャケットデザイン | 60000円 |
エンコード60分 | 12000円 |
メニュー設定1ページメニュー | 5000円 |
チャプター設定12か所 | 500円×12か所=6000円 |
デジタルコピーガード設定 | 5000円 |
プレスマスター出力 | 10000円 |
海外プレス1000枚 | 60000円 |
トールケース1000枚 | 50000円 |
ジャケット印刷1000枚 | 8000円 |
ディスク入れ1000枚 | 12円×1000枚=12000円 |
ジャケット入れ1000枚 | 15円×1000枚=15000円 |
シュリンク包装1000枚 | 30円×1000枚=30000円 |
合計 | 273000円(1枚あたり273円) |
※上記は2023年7月現在での相場です