モーショングラフィックスとは
映像作品の中において、三次元CGと併用で使われることが多いテクニックがモーショングラフィックスです。モーショングラフィックスとは、簡単に言えば「動くグラフィック」のことで、例えばタイポグラフィを動かして動画化したり、図形を動かして抽象的な意味論を生み出したり、イラストや写真などに動きを付けたものなどが挙げられます。
抽象的かつ直感的な表現ができるため、ぜひ皆さんのPR活動のポートフォリオに加えていただきたい手法です。
身近なところではテレビ番組のオープニングタイトルなどで数多く使用されている手法ですが、弊社では皆さまからご提供いただいた過去の写真を効果的に動画に組み込むために使うなど、幅広くモーショングラフィックスを活用しています。
モーショングラフィックスのメリット
映像の初期から存在したモーショングラフィックスですが、AfterEffectsという専用ソフトの登場によって近年様々な新しい試みが行われている分野でもあります。使い方によっては映像表現の幅を大きく広げてくれる手法ですが、その利点をいくつかご紹介しましょう。
抽象的概念を可視化
抽象的な概念を直観的に伝えたい。そんな場面でモーショングラフィックスは価値ある表現手法となります。グラフィックであれば、文字でもイラストでも図形やグラフでも、自由自在に動かすことができますので、動きに意味を持たせるという極めて映像的な表現となりうる可能性を秘めています。
静止画に動きをつける
例えば企業紹介や歴史を扱う作品の制作をしている際に、たびたび登場するのが過去写真です。当時の雰囲気がしのばれるのは良いのですが、静止画の写真ですから動きがまるでありません。せめてその動きのない写真を効果的に見せることはできないか?という悩みの解決策にモーショングラフィックスは効果的に使える手法です。
現実に存在しないユニークさ
図形が動いたり文字が踊ったりする非現実な表現。これらは実写のカメラ撮影だけでは到底不可能な幅広い表現です。現実にはありえない事象を映像化できるという点では三次元CGなどとも共通項がありますが、三次元CGが本質的にはフォトリアル志向であるのに対して、モーショングラフィックスはアンリアルの追及であるという大きな違いがあります。
三次元CGとの組み合わせで活用
モーショングラフィックスを制作するソフトはAfterEffectsといいます。
弊社ではこのソフトで三次元CGで制作した動画ファイルを読み込み、多重合成して仕上げるなどの用途でも活用しています。
加工の自由度が高くフレーム単位で動きを正確にコントロールできるAfterEffectsは、CG制作者にとっても活用範囲の広いソフトです。
映像作品中でのモーショングラフィックスの活用事例
映像に直接モーショングラフィックスで加工を施すのではなく小道具作りにもモーショングラフィックスは多用されています。
イラストアニメーション
モーショングラフィックスの最も多い活用例がイラスト素材をアニメーションさせるイラストアニメです。テレビ番組などでも多く活用されていますので、最も身近なモーショングラフィックスと言えるでしょう。
タイトルアニメーション
タイトルアニメーション制作においてもモーショングラフィックスは多用されています。近年の番組タイトルなどのうち、半数程度はこうしたモーショングラフィックスが使われています。
図表アニメーションモーショングラフィックス
図表を動かしたい場合などもモーショングラフィックスの出番です。マルチレイヤーの素材から、簡単な動画を素早く作ることができるため、番組のアクセントとして最適です。
小道具としてのグラフィックス①~偽サイト制作
ドラマ用の小道具として動きのある偽サイトのご依頼がありましたので制作いたしました。本来ならHTMLで本物のサイトを作っても良いのでしょうが、動作の確実性という意味では動画ファイルとして納品し、それをドラマ小道具のパソコンで再生したほうが安全という判断で、モーショングラフィックス動画ファイル納品となりました。
動画そのものにカーソルの動きなども足して置けるので撮影現場でのリテイクでも同じ動きをするため失敗の原因になりにくいという特長があります。
もちろんHTMLと動画ファイルを組み合わせたリアルなウェブサイトを制作し、それをサーバーにアップするという方法での対応もいたしております。ぜひご相談ください。
小道具としてのグラフィックス②~偽エコー写真
胎児のエコーです。こうした画像はドラマ制作などの現場においては必須の小道具となっています。弊社ではこのようなドラマ用小道具としての動画ファイルの制作も承っております。
ここにご紹介しているエコーの場合、逆子の設定のためリサーチから入りました。
胎児は三次元CGでモデリングしたレンダリング画像を使っています。その画像をレイヤーとしてモーショングラフィックスで鼓動の雰囲気を出すためにアニメーションさせて動かし、背景にノイズなどを足して一体感を出しているという工程で制作されました。
弊社の場合、医療系の映像制作を多数手がけておりますので、メディカル系のドラマ制作などの現場で動画ファイルが必要になった際など、お声がけくださればスピーディにクオリティの高いファイルをご提供します。