映像制作メディア

増える直接取引への警鐘

tyokutorihiki映像制作という仕事も中心となるクライアント様が時代の流れと共に移り変わっています。昔のような放送局や広告代理店といった、いわゆる映像のプロからの依頼を中心としたBtoB市場から、広告主などのクライアント様から直接依頼をいただくBtoCへと、その中心が移ってきているのです。
これはある意味、中間コストを省き、直接作り手である私たち映像制作会社と結びつこうというクライアント様の意図であろうかとは思いますし、映像制作会社である私たちから見たら本当にありがたいお話ではあるのですが、反面危険性の高い方法論でもあると私たちは考えています。
映像業界と一口に申しましても、実は様々な映像制作会社があり、使い分けのようなことも本当は必要なのですが、ウェブサイトだけ見ていると、どうしてもその違いが業界の外の方から見た場合わかりにくいようです。今まで中心だった広告代理店経由の映像制作依頼は、こうしたリスクを排除するために経験則から拡がった方法論でもあったように思われます。つまり、広告代理店という、映像制作に詳しい第三者を介することによって、素人を排除するというフィルターが働いていたのです。
ウェブで見つかる映像制作会社は玉石混淆、それこそ素人同然の会社もあれば、長年テレビ業界や映画業界で修行をしつつ学んできたプロの会社まで、実に多様です。そしてその違いはウェブサイトではわかりにくいのです。

 

素人同然の映像制作会社も存在します

ウェブでの宣伝が可能になる以前は、映像制作会社に優れた営業部でもない限り、広告代理店さんからお仕事をいただくのが、最も効率的な営業方法でした。ですから私たち映像制作会社も「広告代理店というクリエイター」に納得していただけるよう切磋琢磨をしてきたのです。
しかしウェブでの宣伝ができるようになると、広告代理店さんを経由してお仕事をいただくのではなく、クライアント直でお仕事をいただこうという動きが生まれました。そしてクライアント様はほとんどの場合、映像制作に関しては素人さんですから映像制作会社の制作能力をうまく見切ることが難しかったようです。ここに付け入る隙が生まれてしまったのです。
昔の映像制作業界というのは、たたき上げのプロばかりでしたし、テレビ局か広告代理店から認められない限りマトモな仕事はもらえませんでしたから、こうしたプロを納得させるに足るそれ相応のスキルがありました。
修行は最低5年。数多くの現場を踏んでからディレクターとして、またプロデューサーとしての活動を始めたのです。ですから現場での対応力や臨機応変な柔軟性が高く、常に最良の結果を現場から持ち帰ってくるのがプロの正しい姿でしたし、当然のことでもありました。
ところが近年、社会人になってまだ二年の若者が映像制作会社を設立してしまったり、結婚式の記録動画会社がドキュメンタリー映像制作を謳ってしまったりと、やりたい放題です。

通常の制作会社での人材育成
AD アシスタント・ディレクター。ディレクターの演出を補佐する肩書きであるが、日本の伝統的映像業界では映像制作の仕事の流れや基本的な映像演出術について習得するための準備期間として設定されている側面もある。
ディレクター 映像の演出業務を行う。作品の内容に関する責任者。ADと二人一組で行動し、指導しながら仕事にあたる。

 

要は使い分け

とはいえ、そういう会社は人材育成その他、従来の制作会社がかけてきたコストを使っていませんので、制作コストが安い傾向にあり、そんなに制作能力が高くなくても対応できるような仕事の場合には使い勝手が良い選択肢になることもあります。少なくとも撮れ高から逆算して再構成を行うような本格的な編集を必要としない動画の場合はコストで業者選定してもかまわないのではないかと思います。要は使いかたなのです。
そこで、ここに弊社デキサの業界での立ち位置をご説明し、また、映像制作を行うにあたっての基本方針を明確に記載することで、クライアント様にご理解を深めていただき、後悔しない選択をしていただきたいと思っております。使い分けを考えていただき、「デキサで正解」と思われたら、お声掛けをいただければと思います。

 

基本方針