複雑化する研究内容を多種多様な人にプレゼンする
アカデミックな世界も、今や分野の垣根を越えて幅広い人材が関わり実に多くのアプローチ法がとられるようになり、その代表的な分野が生化学ではないでしょうか。
これまでの観察中心の研究方法だけではなく、数学的アプローチやスーパーコンピュータを活用したアプローチなど、多くの分野の専門家がチームを組んで研究を進めている時代となっています。
生化学における映像は、このように様々な分野を専門とする研究者に対して生化学分野の研究テーマの重要性を把握しやすくするばかりか、かみ砕いた直観的に理解しやすい映像作品をプレゼンテーションに使うことは投資を集める際にも役立ち、理解者を増やすための強いツールとなりえます。
弊社デキサであれば、過去に数多く制作してきた医薬品の作用機序動画や病理病態解説などとも共通点が多い分野であるため、リサーチのノウハウもあり、広い視野で研究内容を把握して映像化しやすい分野でもあります。
また弊社は理系の映像のみならずドキュメンタリー分野でも実績がありますので、カメラ撮影によるドキュメンタリータッチのような演出からフル3D-CG作品まで、生化学の分野の映像作品を様々な演出的選択肢から最適な選択を行いつつ制作することができます。
優れた映像は、その研究に関わる多くの人たちに「向かうべき方向性」を明確に示すばかりか、より多くの人たちに理解を促し、目的を共有するために大きな武器となるに違いありません。
様々な映像化技術がサイエンスを可視化
弊社ではどんな分野の映像作品でも、サーモグラフィ、高速度撮影、3D-CGといった様々な描写手法を的確に使用しつつ、何事も「見えるカタチにする」というポリシーで映像を作り続けてきました。
逃げない映像というのはサイエンスを扱う上では大切な姿勢です。動画素材が無いからといっても、文字や言葉に頼らずに動画カットの積み上げによって(モンタージュ手法といいます)最終的に「直感的な把握をしやすい映像」を生み出します。
生化学に限らず、多くの分野を映像化するにあたり、この「逃げない外連味のなさ」こそが直観把握しやすい映像を生み出すための一番の秘訣であると弊社デキサは考えています。
多用な撮影技術を駆使して可視化
例えば加速度計と高速度撮影を組み合わせて衝突の衝撃を見えるカタチにする。サーモグラフ撮影で熱の動きを目に見えるカタチにする。これらはちょっとした工夫と準備で安価に実現できることではありますが、一般的なロケ用カメラだけでは撮影できないため、企画の段階で意識していないことには映像作品に組み込まれる可能性は消えてしまいます。しかし「証拠(エビデンス)」を大切にするサイエンスというジャンルを扱うなら、「目で見せる」ということをどこまで重要視しているかは大切な姿勢です。弊社デキサであれば、可能な限り撮影によって見せるべきものを見せる姿勢があります。
美しい3D-CGでミクロの世界を可視化
デキサなら撮影で捉えられない事象も可視化することができます。それが三次元CGの活用です。デキサは映像制作会社でありながら外注ではなく自社でCGを制作できる稀有な存在です。自社でCGを制作するという方針を選んだのも、外連味を排除し、なんとなくフワリと描くイメージショットや、ナレーションやテロップなど言葉による表現を可能な限り減らして事象そのものを可視化したいという会社の方針があってのことです。
弊社デキサのCG部門は映像制作会社の付帯設備に過ぎないところから、20年経った現在では多くのテレビ局にCG素材を提供する中堅サプライヤーになるまで発展を遂げてきました。
医療・医学分野や工業・化学分野のCGからはじまり、現在では日本を代表する作品のCGを手掛ける水準です。この技術をぜひ皆さまの研究発表に活かしていただければと思います。
プレゼン資料に美しさを
CGの場合、静止画のみの制作ではコストパフォーマンスの観点からおすすめはできませんが、動画のついでに静止画を作るということでしたら、コストパフォーマンスの観点からもおすすめできる展開法です。
デキサが細心の注意をもって制作した実績群
弊社デキサでは、常に細心の注意をはらいながら、研究者の方々と二人三脚で映像作品を生み出し続けています。また徹底した学びの姿勢は高いリサーチ力として顕在化し、映像作品のクオリティを大きく向上させる原動力となっています。
中外製薬様~SMA治療薬リスジプラムの薬効薬理
弊社デキサは20年にわたる蓄積を惜しみなくこの作品に投入し、SMAの原因となる遺伝子の病態を解説、そしてSMAたんぱくがどう神経に影響を与えるかまで描き出します。このような生化学的な連鎖を映像化するには、解剖学的なCGのみならずたんぱくなどの映像化も必要で、大変難易度が高いものです。
EV回収技術紹介動画~H.U.グループ中央研究所様
こちらの案件では弊社は動画を制作するという映像制作会社としての動きだけではなく、広報戦略に必要なデータをどう効率よくそろえるか?など、広報宣伝業界で長年培ってきたノウハウを駆使してコンサルティングチームのように活動を行っています。
抗体作製技術解説動画~カイオム・バイオサイエンス様
アルブミンを捕捉する抗体とナノ粒子
神戸大学の竹内教授からのご依頼で、英国王立化学会発行の論文誌『Nanoscale』に掲載する論文のために描いた挿絵ですが、結果として同誌の表紙に採択されました。
ニューロンCGモデル
RNAポリメラーゼCGモデル
また、RNAポリメラーゼの機能の表現では、pre-mRNAの塩基配列をDNAから転写するため、DNAの正確なモデルが必要不可欠です。過去に蓄積したDNAの三次元モデルを活用するなど、層が厚い弊社のCGモデルライブラリーの活用が、こうしたCG動画を実現する原動力となっています。
運動神経細胞生存(SMN)タンパク質のCGモデル
弊社では薬学や病理病態の説明に使えるSMNタンパク質のモデルを制作し、皆様からのご依頼をお待ち申し上げております。
B細胞CGモデル
分子標的薬など医療向け作品には欠かせない要素となってきたため、弊社でも免疫にかかわる細胞や抗体といった主なキャラクターはすぐに動かせるように用意しておかなければならないとの判断から作成いたしました。厳密に形状を追いかける必要はありませんが、イメージショットとして使える程度には「なんとなく似ている」というものが必要です。
エクソソーム(EV/Exosome)のCGモデル
透明なエクソソーム内部には、立体的に丸まった構造をとっている比較的小さなRNAが見えます。
表層の面は波打っており、細胞から細胞へと情報を伝達する役割も果たしている様子を描くことができるよう工夫されています。
DNAのイメージCGモデル
画像素材の販売サイトや、3Dモデルの販売サイトで売られているDNAの三次元モデルを見ると、らせんの回転方向が逆だったり、主溝・副溝の区別すらわからないようなものが大変多く、構造的にあまりに実情と異なるためイメージショットにすら使えないという状況があります。
弊社では、こうした「ちょっと調べればわかるよね」という間違いを可能な限り減らす努力を怠りません。
ヒト抗体CGモデル
たんぱく質データバンクの形状を参考にして制作したCGモデルです。本来であればB細胞と抗体のサイズはもっと差がありますが、イメージショットとして成立させるためにあえて比率を操作して、御覧のようなバランスで描いています。
実際の顕微鏡写真ではできない、サイズの調整や思い通りのアニメーションワーク(動き)など、CGならではの強みを活かし、わかりやすい映像を制作しています。