再発可能性が高い典型的事故の再現CG

国土交通省ITARDAが、特に再発可能性が高く典型的と思われる事故事例を取り上げ、映像化して安全意識の啓蒙を促す企画が『DVD版~事業用自動車事故調査報告書』です。
弊社ではここにご紹介している『北九州市大型乗合バス追突事故』の映像制作を担当いたしました。

北九州バス追突事故CG

事故の時系列を効果的に表現

映像は「時間軸を持つ」という特長があります。その映像ならではの利点を上手に活かすことが映像演出の基本でもあります。
当作品でご紹介している北九州市小倉北区で発生した大型バスの事故事例は、いわゆる「よそ見」が原因で起きた事故であったため、当該バスドライバーの視線の動きと視野の関係を時系列で追いかける必要性があり、映像の強みが最も活かしやすい性質の事案でした。

九州バス事故CGタイムライン分割画面の作例

弊社では「時間軸をどう表現するか?」という演出テーマを踏まえ、マルチ画面を活用した解説を行っています。ともするとマルチ画面は視聴者の目線の誘導に失敗しがちですが、弊社では編集で細心の注意を払い、どこを見たら良いか?を丁寧に誘導し、視聴者の混乱を防いでいます。

ドライバー目線の主観アングルによる交通事故再現CG

当事故の場合、バスのドライバーの目線がどう動くか?というポイントが重要でした。そのためドライバー目線の視界を再現したオンボードカメラからの再現CGが大きな意味を持ちます。
肖像権など様々な理由から当該事故のドライブレコーダーを見ることができない状況の中での映像制作であったため、ドライバー目線を再現するためには、まず正確に道路の状況をCGで再現。さらにバスの軌跡を正確に再現した上で、ドライバーの頭部の位置の動きをトレース。その上でヒトの視野の角度を再現したカメラ設定でレンダリングを行いました。
さらに当事故の場合、被害者となる自転車がドライバーからどう見えていたかも重要な意味を持つため、視界を正確に再現するために街や道路の明るさまで正確に再現。各外灯や店舗からの明かりが距離に応じて減衰する様子も物理的に正しい再現を行っています。

ドライバー目線からの主観アングルによるCG

街や道路の明るさも正確に再現

フルCGバーチャルスタジオを融合

ストーリーの進行役として弊社作品では常連となっているモデル/MCの松島史奈氏を起用。四面がグリーンバックとなっている平和島XRスタジオでの収録を行いCG背景との合成を行いました。

バーチャルスタジオCG合成

松島氏は過去にも弊社作品でCG背景によるお芝居とトークのシーン撮影の経験が大変豊富で、撮影の現場である実際のスタジオには存在しないモニター等の対象物を芝居で意識させるという難題に挑戦。グリーンバックによるCG背景合成映像では、美しい所作やアナウンスだけでは十分とはいえないところを、十二分にバーチャル空間内の構造物を意識させるだけの芝居を展開し、CG背景の強みを100%活かす演出的にも大変難易度の高い技術を提供してくれています。

事業用自動車事故調査報告書スタジオ収録

クロマキースタジオでの収録風景

作品データ

タイトル/事業用自動車事故調査報告書「北九州市小倉北区大型乗合バス追突事故」
制作/デキサホールディングス(株)・ITARDA
製作著作/国土交通省・事業用自動車事故調査委員会
企画立案・プロデューサー・事故現場CGモデリング/横山 敦子
構成・ディレクター・CGアニメ/奥山 正次
撮影/岩田 修一・福井 智章
スタジオ/アークベルHXRS(平和島XRスタジオ)
スタジオMC/松島 史奈(エルキャスティング)
メイクアップ/浜 香奈子(ビーサイド)
MA・ナレーション収録/Studio Cross Edge
音響効果/横山 敦子
イラスト/上西 淳二
ナレーション/近藤 隆幸
声優/渡辺 孝・橋本智恵子・花形みちこ・山本侑平(ファインレーベル)

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