2026/4/8公開
リサーチは映像制作の要
私たちは、映像制作というのは情報を収集し、取捨選択し、並べ替え、かみ砕き、それを発信して伝わるようにするという、いわば学校の先生と同じような仕事と思っています。
最初の情報収集、リサーチでどれだけ分厚い知識を集めることができるかで、その知識を知恵として伝えることができるかどうかが決まります。
私たちデキサはリサーチを中核の事業として考えて、台本を書く構成と呼ばれる工程の前に、構成よりも大きなエネルギーを使ってかなり徹底した情報収集を行います。
この情報収集、つまりリサーチ段階では、なんでもかんでも調べます。場合によっては必要か不要かを考えず、取捨選択することなく、情報を集めます。
ザックリと端折る映像を作るとしても、まずは全体を調べるだけ調べて、ザックリと理解してから、どこを捨てるかを考えます。これが実は大変重要です。とにかく全体を知ること。浅くでも良いから全体像を把握すること。これをやらないと映像制作は成立しません。
映像制作というのは、とにかく情報を削り込みます。取材対象となる専門家が持つ多くの情報を全部詰め込んだら何年の映像を作っても足りません。なので10分とか20分といった常識的な尺に収まるように情報を削るのです。
情報の重要度ランク
情報を削るということは、情報の重要性をランク付けしてから取捨選択を行う必要があります。大切なことは残し、不要なものは削る。そのためには情報を重要性の順に並べて優先順位の高いところから残していくのです。しかし、全体像をザックリとでも把握していないと、情報の重要性をランク付けすることができません。
私たちは全体を理解するため、かなりの時間を使います。場合によってはリサーチに数か月を使う事もあります。とはいえ、専門家が数年かけて学んでいることを数か月で「ザックリと把握」しようというのですから、これでも決して長い期間ではないと私は思っています。別に私たち映像の専門家が取材対象の分野の専門家になる必要はありませんが、とはいえその本質をある程度はつかむことができないと、情報の取捨選択のための基準を得ることができないのです。
クライアント様による情報提供の重要性
開発中の製品や技術について発表前に映像を作ることがありますが、こうした場合は「まだ発表されていない情報」を収集する必要があります。これはクライアントである企業様や研究所様から守秘義務契約締結後に情報を開示していただくしかありません。
これから発表される製品や技術については、クライアント様からの情報に頼らざるを得ません。また、クライアント企業様が打ち出す独自の概念についても同様です。とにかく何かオリジナルな新しい題材(テーマ)を映像作品の中で扱う場合は、そのテーマに関する情報はリサーチでは収集できないのです。ここはクライアント様にぜひお願いしたい部分です。
またクライアント様はその道のプロですから、私たち映像クリエイターが最短距離でその分野について学べるようご指導・アドバイスをいただけると本当に助かります。こうしたアドバイスも情報提供の一種ですし、私たちからしますと大変ありがたいものなのです。
学んで闘う映像クリエイター
私たちデキサの映像クリエイターは、常に何かの分野を学び続けてきました。本当に毎日のように何かについて調べています
。特に私たちの場合はテレビ局の仕事というより、雑誌の仕事に近いかもしれませんね。テレビのワイドショーやニュース番組の中に挿入される「暇ネタコーナー」と呼ばれるVTRは、リサーチャーが会議に持ってくる雑誌のコピーを情報源にして取材していることが多いので、基本的には二次情報です。しかし雑誌は一次情報ですからね。私らは脚で情報を集めるところからやっているので雑誌の取材に近い。
普段から私たちは、常に新しい研究や商品など、世の中に資料が存在しない一次情報を扱っているわけですから、脚で稼ぐ取材が勝負所でもあります。研究者・開発者の方々へのインタビューや聞き取り調査、そして試作品の撮影や資料、こうした「紙になっていない情報」をいかに細かく拾うかも映像作品のクオリティを左右します。
紙を読めば済む情報ばかりでなく、収集にエネルギーを要する情報もたくさん貪欲に集める、闘うクリエイターでありたいものだと思います。


