福山城のCGがついに完成しました

2023/2/10公開

福山城築城400周年事業のCG制作

弊社では、去年の夏から広島県福山市の福山城のCG制作（モデリングも含めfbxファイル納品）にとりかかっていました。
歴史の可視化という事業はこれまで映像向けのものは数多く手がけてきました。テレビ朝日の「chouchou」のようにそれこそ丸二年、年がら年中、歴史の考証を続け、CG制作に打ち込んでいた時期もありました。とはいえ、今回はそうした「小さいネタが山のようにある」という状況ではなく、福山城とその周囲の城下町を丸ごとCGによって再現するという壮大な仕事です。

福山市では去年2022年から、様々なイベントを行って福山城を知ってもらうということに注力しておられます。イベントも盛りだくさんですから、ぜひ興味がある方は以下のサイトをご覧いただければと思います。市役所だけではなく、地元の有志の方々や、博物館の学芸員の先生方も全力でがんばっておられるので、ぜひ福山を知っていただく機会になればと思います。

資料が少ないのが一番の難点

資料が潤沢にあれば、その再現は地道な作業だけですのでテクニカルな難しさは無いのですが、今回はちょっと資料の量という点で大変でした。本来なら現物の城が残っていれば良いのですが、それがまずありません。
では、どの程度の現物が残っているのかというと、天守は再建したもので内部は博物館（福山城博物館）となっています。
石垣は半分まで残ってはいませんが、新幹線の線路の下にあるものも含めて、参考になるものは残っています。本丸の中においては御殿は無く、復元された湯殿（お風呂）があったり、やぐらが少々残っているという感じです。これらを基にイメージし、学芸員の先生からの情報や資料をまとめあげ、実際のモデリング作業に取り掛かりました。

とはいえ今現在建っている復元された天守ですが、これはほぼほぼリアルな見た目だということです。
学芸員の先生への取材で確認したのですが、塗装の色なども、これまで間違っていた点を、400周年事業に合わせて修正したとのことでした。ですので、天守閣はほぼこの復元した天守閣をベースにして作成しました。
この細密なクリエイティブワークにあたったのが、㈱ゲインの横山社長です。横山社長は私がもっとも信頼するクリエイターのひとりで、映像制作全般をこなすスーパーディレクターです。映像制作者でありながら三次元CGも様々なソフトを活用して自分で作れるマルチな方で、専門特化と分業が進んだプロフェッショナルの映像制作現場では珍しいタイプ。今回はテレビ朝日の歴史番組を、別々の会社としてではありますがテレ朝から受注していた仲間として、当案件に参加していただきました。

モノを作る人の強み

こうしたコンテンツ制作に携わる人は大きく二つにわかれます。お金を回してスタッフを動かす人と、自分の手でコンテンツを作る人です。しかし、前者は必要でしょうか？
私の考えでは、お金を回すのは、自分の手でコンテンツを作れる人でもやれます。別に何もできない人にお金をおぜん立てしてもらう必要性すら感じません。私などは自分の手を動かしてコンテンツを作ることばかりしてきましたが、これを30年もやっていると、どういうところに映像コンテンツの需要があり、どういうことをすれば社会の利益となるか、ある程度は想像できますし、どこが予算を持っているかも知っています。そして自分で作れますから、コスト計算もすぐやれますし、どういうスタッフを集めたら効果的かもわかります。
今回のこの案件などは、「モノを作る人だけで組み立てる」ということを実現できているので、私としては気分が良い。横山社長と私と二人でモデリングできたのは本当に幸運でした。
ということで、左にあるのが横山社長が作った福山城天守のCGモデルです。

で、この天守に合わせて周辺の本丸、二の丸、三の丸まで私がモデリングをした全体像が以下のレンダリング画像です。地面が無いのは、今回は実際の福山市中をレーザーで計測した地形の点群データがあるので、それに私どもが作ったデータを加えるという方法をとるからです。

もし、お城をCGで組み立てたい。城下町をCGで作りこみたい。そんな計画があるのでしたら、私たちデキサにお声がけください。スピーディかつリーズナブルに、そのミッションを成功させます。

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